【調べてみた】ハンガリー移民問題に関する動き
2015/08/19
まじゃるです。
先週の移民問題に関するニュースをいくつかピックアップして、まとめてみました。
・フェンスの設置
ハンガリー･セルビア国境では、7月に全長175kmのフェンス設置が決定しており、先週から工事が始まりました。当初11月末の完成予定を、8月末まで繰り上げ、工事が急ピッチで進められています。
http://index.hu/belfold/2015/08/05/kerites_kormanyszovivo_menekultek/
現在は、円筒状（というか、らせん状）に巻いた有刺鉄線3つを積み重ねた形の、一時的なフェンスが設置しています。が、早くもワイヤーが切断された箇所が見つかりました。またフェンスを壊したとして、18名のアフガン人不法移民が逮捕されています。
http://www.delmagyar.hu/szeged_hirek/embercsempeszek_segithettek_atvagtak_ejszaka_a_keritest_asotthalomnal/2440816/
また、この不法入国防止フェンスですが、簡単に潜り抜けられるという指摘もあります。
http://index.hu/belfold/2015/08/07/kerites_atmaszas-teszt/
なお、フェンスの材料費は、当初の予想の65億フォリントから、さらに30億フォリント強を予算に追加するとの政府から発表がありました。。。
・法律の改正
難民に関する法律が改正され、8月1日から施行されています。主な改正点は、『「安全」な国からハンガリーに入国した場合は、難民申請を短期審査で処理できることになった』こと。
ハンガリー政府が「安全国」とリストアップしたのは、以下の国々です。：
EU加盟国およびトルコを除く加盟候補国（アルバニア、マケドニア、モンテネグロ、セルビア）、EFTA加盟国（スイスを含む）、アメリカ合衆国の死刑制度の無い州、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ。
http://index.hu/belfold/2015/07/21/itt_a_kormany_szerint_biztonsagos_orszagok_listajat/
ちなみに2015年は、8月6日0時の時点で109,105人が不法入国とされ、うち108,383人がセルビアを経由しての入国というデータがあります。セルビアも「安全国」とされているので、今後はほとんどの人が短期審査にまわされることになります。（そして、申請不許可、EU外への退去命令が出て、セルビアに戻される人が大勢出ることが予想されます。）
http://www.metropol.hu/itthon/cikk/1348821-augusztus-31-re-elkeszul-a-hatarzar
実は、この「安全国リスト」のアイディアは、ハンガリーのオリジナルでなく、オーストリア、フランス、フィンランドなどで既に導入されているものようですね。
http://www.stop.hu/belfold/a-biztonsagos-orszagok-listaja-osszhangban-van-az-unios-joggal/1331051/
・しかし、不法入国のペースは変わらず
上のように、対策が打たれているにもかかわらず、国境を越える人の波は止まりません。
先週末だけで全国4000人以上（金曜日1515人、土曜日1446人、日曜日1530人）
今週は、Csongrad県南部で
月曜日： 1442人（子供346人）、全国で1618人
火曜日： 1324人（子供249人）、全国で1450人
水曜日： 1331人（子供235人）
木曜日： 1414人（子供252人）、全国で1607人
金曜日： 1383人（子供269人）
（http://www.hirado.hu/rovatok/belfold/ からピックアップ）
なお、参考までに、2014年のハンガリー国内出生数は 91500人 のようです。一日平均だと250人ですね。
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以上、まじゃるでした。