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記者会見からハンガリーの移民危機対策を読む

   

まじゃるです。

現時点でのハンガリーの移民危機対応について、何回かに分けてまとめてみます。

まず先週の「政府情報」(定例記者会見)での、移民危機に関する首相府長官の発言です。

先週11月5日の定例記者会見

今年、ハンガリーへの不法入国者の数は40万人であるが、国境フェンス設置を含む対応により、移民の脅威から国を守ることができていると認識している。

ハンガリー政府は、この移民危機に関して、次の3方面で戦っていかなければならない。
1.「国境を守り、不法入国を防ぐ」
2.「EUによる強制的な難民受け入れ分担に反対する」
3.「難民不認定者のハンガリーへの送還に異議を唱える」

それぞれの説明は、

  1. このために国境にフェンスを設置している。またハンガリー南部4県の非常事態宣言も継続する。
  2. 政府が支援していかなければならないのは、ハンガリーの家族であり、移民ではない。12月初旬までに国会で「分担義務」についての決定を行う。また政府は与党フィデスが提案した署名活動を歓迎する。

    ハンガリー政府は、ドイツが移民を受け入れるのであれば、その政策を尊重するが、その一方で、他国に受け入れを義務付けることについては認めることはできない。ハンガリーは(労働力・人口問題などの解決手段としての)移民の受け入れを不要としている。

    また、義務的受け入れ分担を認めることは、移民流入の加速につながると考えている。移民側から見れば、年金まで期待できると考えるであろう。ハンガリーはこれを請け負うことはできない。

  3. 現時点で、4万人の難民不認定者の送還申請がハンガリーに届いているが、政府は誰に対しても送還に応じない。これらの人々がEU圏に入った最初の国は(、すなわちダブリン規則の適用による送還先はギリシャである、というのがハンガリー政府の見解だからである。

 

いやはや、「人道的」という言葉を知らないかのような主張ですね。

しかし正直なところ、ハンガリーには数万人の移民の面倒を見るだけの余力はないというのが、ハンガリーに住んでいる者としての私の印象です。自国民の生活を守ることを第一とするのは、政府方針としては真っ当だと思います。

 

まじゃるでした。

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