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9月13~14日の欧州移民/難民関連ニュース

   

まじゃるです。

ドイツ・オーストリア・ハンガリーの移民/難民関連の対応についてのまとめ記事が index.hu で出ています*1。主要な点をまとめてお伝えします。

  • ドイツは、オーストリアとの国境で入国審査を開始。
  • オーストリアは、外相がハンガリー国境の閉鎖を提案するも、ファイマン首相は今のところこれを認めず。
  • ハンガリーは、国境フェンス設置をまもなく完了。警察は数万人の難民が押し寄せてくるのに備える。

ドイツ=国境で入国審査

  • 日曜日の閣議後にドイツ内務相が、一時的にオーストリア国境での入国審査を導入する旨を発表。他の国との国境では実施しない。
  • 入国審査導入の目的は、移民の人々の入国を制限し、受け入れ体制を整備するためと、内務相の発言。
  • ドイツ内相は、ドイツの善意を逆手に取ってはならないと発言。また、ダブリン規則は今後も適用していく必要があるとも。
  • 直ちに21つの機動隊中隊が、警察車両・ヘリコプターと共に国境に派遣された。
  • ミュンヘンは、土曜日だけで1万2千人の移民が到着し、受け入れに限界が来ていた。
  • シェンゲン協定は、治安や内政を脅かす事態が発生した場合は、30日間の期限付きで国境での入国審査を認めている。またその脅威が続く場合は期限を延長することもできる。

オーストリア=入国審査を検討中

  • ドイツの動きに呼応して、オーストリアも緊急閣議を開いた。閣議後、ファイマン首相は、オーストリア・ハンガリー国境では入国審査を行わないと発表。
  • これに対し野党は、直ちに反対の声明を出した。
  • またオーストリア外相も、出演したテレビ番組で、国境閉鎖の必要性を説いた。「オーストリアはドイツと足並みをそろえる必要がある。移民にとっては、この国はドイツの前にある『最後の魅力的な国』であって、ドイツの対応次第で、この国が危機的状況に陥る可能性がある」という内容。
  • 現在オーストリアでは1万人以上の移民が滞在しているが、オーストリアで難民申請をした人数は60~90人程度。ほぼ全員が先に進むことを希望しており、ウィーン西駅で夜を過ごす人々は数百人に及んだ。難民受け入れ施設の収容可能人数は3,900人で、約4分の1が空いている。
  • オーストリア・ドイツ間の鉄道は、日曜日17時に運行停止。月曜朝から運行再開されているが、当局が身分証明証などのチェックを行っている。
  • オーストリア・ハンガリー国境には、続々と移民の人々が到着している。
  • 月曜午前、ファイマン首相は、警察のサポートのため、2,200人の軍人を投入することを発表。主に人道的支援を行うが、ドイツやハンガリーとの国境における入国審査でもサポートを行う。ただし、首相はこの会見でも、国境は閉鎖しないとしている。

ハンガリー・セルビア国境=フェンス完成、国境閉鎖

  • ハンガリーでは、火曜日の国境閉鎖前に、大量の難民が押し寄せてくると見られている。警察からの最新の情報では、日曜日の違法入国者数は、過去最高となる5,809人、先週末の合計人数は13,162人となっている。
  • 難民の人々が急ぐのは、ハンガリー法規が改正され、この火曜日から難民の入国管理が厳格化し、多くの「難民」がセルビアに送還されるという情報が伝わっているため。
  • 不法入国については、フェンス損壊で1年以上、フェンスを理由なく乗り越えた場合も最高3年の禁錮刑となる。また集団入国によって危機的状況を発生させたケースについても法で対応できるようになっている。
  • 合法的な入国を申請するためのトランジットゾーン設営の計画は中止。また、これまで難民の通り道になっていた鉄道の線路も閉鎖される。閉鎖後の難民の動きは予想できないが、多くはセルビア側で待機することになるだろうと見られている。
  • 国内各地から裁判官が派遣され、不法入国者をコンテナ裁判所で裁く、という情報あり。未成年者の特例適用や、裁判に関する文書の翻訳なども義務化されていない模様。
  • 国境フェンス設置のため兵士が送られているが、準備不足で食事・宿泊の問題があった模様。実際に動員できる5,000人強の軍人のうち、4,300人がフェンス設置作業を行っており、夜間は鉄道の線路上のゲート設置作業を行った。
  • 軍だけでなく、警察でも飲食・宿泊で問題があった。警察の支援のためFacebookのグループが立ち上げられ、有志によって飲食料が国境地域に輸送されている。
  • 国境のルスケ(Röszke)の不法入国者待機場所では、夜間はバスはまばらだったものの、深夜には睡眠をとっている移民の人々を起こしてバスで搬送し、朝には待機場所が一時的に空になった。朝以降に入国した人々は、警察によって直ちにバスに乗せられ、待機場所で休憩したりテントを張ったりすることは認められなかった。
  • ハンガリー南部の4県の警察には、緊急事態に備えた待機命令が出され、2時間以内に投入可能な状態になっている。これはセルビア側から、入国管理厳格化の前に大量の難民が入国することが予想されているため。

 

以上、まじゃるでした。

 


*1 http://index.hu/belfold/2015/09/14/kerjuk_vigyazzanak_a_hatarok_zarodnak/

 

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