12月17日ハンガリーニュース
2015/12/20
まじゃるです。
国内
ハンガリー各省庁、通信業者Magyar Telekomとの契約打ち切りへ
ハンガリー政府が、通信業者Magyar Telekomとのモバイルネット契約を打ち切ると発表したことが大きな話題となりました。
事の発端
事の発端は、有名なシンガーソングライターのÁkos(アーコシュ、本名Kovács Ákos)が、テレビ番組で女性の役割についてのテーマになった時に、以下のような発言をしたこと。
- 男女同権は正常化と同義ではない
- 女性は、女性の原理を守り、遂行すべし
- 女性は、誰かに属すべし
- 誰かが子供を産まなければならない
- そして、労働市場で男女が競う必要があるとは、(旧約聖書の)モーセの書にも書いていない
- 女性が、男性と同じだけ稼ぐ必要はない
- 女性は腰が広く、男性は肩幅が広いのは偶然ではない
- 例えば、女子重量挙げという競技は自分の価値観に反する
(以上、index.hu 12/14の記事より)
# Ákosは保守主義者として知られています
Magyar Telekomが、Ákosのスポンサー契約を解除
上の発言に対し、これまでÁkosのメインスポンサーを務めていたMagyar Telekomが、テレビで発言された彼の価値観は、企業理念に反するとして、12月16日にスポンサー契約を解除する旨を通知したことを発表しました。
12月16日17日両日にはブダペストスポーツアリーナでÁkosのコンサートが予定されており、Magyar Telekomはそのメインスポンサーになるはずでした。
なお、Ákosの発言に対し、Facebook上でコンサートボイコット運動も起きたようです。
(以上、index.hu 12/16の記事より)
ハンガリー各省庁がMagyar Telekomとのモバイルネット契約打ち切り
上のMagyar Telekomの対応について、コヴァーチ政府報道官はハンガリー通信MTIの質問に対し、ハンガリー政府内で水曜日に議論した結果、ハンガリー各省庁はMagyar Telekomとのモバイルネット契約を打ち切ることを決定したことを発表しました。
コヴァーチ政府報道官は、「Telekomの対応にはショックを受けている。この対応はハンガリー憲法の理念及び文言に反するものである」とし、(Magyar Telekomの親会社がある)ドイツではこのような対応も可能かもしれないが、ハンガリーにおいては、個人の意見や見解を理由として、このような形での差別を行うことは許されないとしました(Ákos側は、Magyar Telekomの契約解除で数千万フォリントの損失が発生した模様)。今回のモバイルネット契約打ち切りは、Magyar Telekomに対する処罰となります。
なお、政府とMagyar Telekomが昨年交わしたパートナー契約については影響せず、Telekomは4年間で10億ユーロの投資を行います。
(以上、index.hu 12/17の記事より)
訃報
【訃報】ベンコー・シャーンドル(ジャズバンド、クラリネット奏者)
Benkó Dixieland Bandの結成時以来のリーダーで、クラリネット奏者のベンコー・シャーンドル氏(Benkó Sándor)が、12月15日に亡くなったことが伝えられました。75歳でした。
ベンコー氏は1940年ブダペスト生まれ。1940年代から音楽をはじめ、1957年、高校生としてBenkó Dixieland Bandを結成。最初のアルバムがゴールドディスクとなり、また世界ツアーもたびたび行っています。2006年にはコシュート賞が授与されました。
Benkó Dixieland Bandの今後については未定ですが、”Benkó”の名前では活動を続けられないと未亡人がコメントしています。(index.hu)
まじゃるでした。