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【不法移民問題】東駅周辺(7月30日の記事)

      2015/08/19

まじゃる です。

不法移民について、現地では連日ニュースが流れていますが、
まず、昨日の東駅周辺の様子についての記事を紹介します

● 東駅周辺レポート(7月30日の記事)
http://index.hu/belfold/2015/07/30/migransok_keleti_palyaudvar_bevandorlok/
(ハンガリーニュースポータル index.hu)
(写真が多く使われているので、様子がわかりやすいです)

・最近、数百人規模の不法移民が、東駅地下道および周辺区域にたむろしている。

・彼らは、それぞれ単独ではなく、子供を含んだ大家族で移動している。

・地べたに座って食事をしたり、横になって休んでいる。

・長期間居座っているわけでなく、3~4日でどんどん人が入れ替わっている。

・戦地から逃げてきたものも多い。記者がインタビューした男性は、ズボンをまくって太ももとふくらはぎにある傷を見せながら「ちょうど歩いていた道で爆弾が爆発したときに、こちらに来る決心をした」と語っている。

・目的地を聞くと「ドイツへ行く」と答えるものがほとんどだが、具体的にどの都市へ行こうとしているかを答えられるものは少ない。

・とはいえ、「世界の終わり」というような雰囲気ではない。子供たちはおもちゃやぬいぐるみで遊んだり、地下鉄への連絡通路で走り回ったり、若者たちはちょっとしたスペースでサッカーをしたり。

・記者が、ブルガリアで指紋登録をしてきたという人たちに、「難民申請は、最初に手続きを開始した国で行うのが欧州のルールなので、ドイツでの可能性はほとんどない」という話をすると、彼らは失望の表情を浮かべた。

・このような大人数が押し寄せてくるようになったのは、ハンガリーがセルビア国境に柵を設置することを発表した数週間前ごろから。柵の設置が発表されて、母国からEUへの道中にいた移民の移動テンポが速まった。

・清掃員の証言:「彼らは穏やかで、騒ぎも起こしていない」「ゴミの量をみると、ほとんど移民がいなかった1ヶ月前は1日でゴミ箱2つ分ほどだったが、今は半日で9つ分だ。」

・マケドニアなどは、移民が自国内に残留しないようにするため、国境から国境まで(マケドニア国内を)無料で搬送している

・ボランティアの人間に、なぜ彼らは東駅でたむろしているのかを聞いたところ、道中にある家族を待っているものもいるが、多くは指定された難民キャンプへ行く途中で、何らかの理由で数日間滞在している。他はドイツへ向かう準備中。移動手段については、鉄道かタクシーで向かうという回答が多かった。

・記者がハンガリー人の印象について尋ねたところ、「非常に良い人たちだ」と何人からも回答があり、このような状況でも、ハンガリーを賞賛することができることに、記者は驚いている。

・「警官も我々を痛めつけたり、寝るのを妨げたりすることはありません」と、アフガンの男性。「ブルガリアでは、手続きに行ったときに、警官にゴム警棒で脚を打たれた」と、カーブルからの少年。

・清掃員の話:「今のところは問題は起きていないが、何度かスキンヘッドの人間が来ている。これだけの人間がいると騒動になる」「小さな子供たちもいるのにかわいそうだ」

・1日2回、数百人の人間に対しての食事の提供が、集まったボランティアによって行われているようだ。

・その他にも、菓子パンを配る女性、服を持ってくる男性、子供たちに色鉛筆をプレゼントする一般市民の姿も見受けられた

・このように、市民レベルでは、冷静で人道的な行動をとれる人たちもいる。

・ただ、彼らの力では状況を変えることはできない。柵を設置するよりも理にかなった、政府レベルの方策が必要だ。

・移民の移動テンポも上がっている。2月には3~6ヶ月を費やしていたのに、今回東駅で話を聞くと、アフガニスタンを出たのは3~4週間前という回答だった


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追記:

(7月30日午後の記事)
http://index.hu/belfold/2015/07/30/menekultektol_kiuritik_a_keleti_palyaudvart/
(index.hu)

7月30日午後には、東駅に滞在していた移民の人々が、警察により退去させられたようです。

ボランティア活動をしていた人の証言によると、
大半の移民は、警察の姿を見たところで、地下道から退散し、
残った人々に対し、約30名の感染症予防マスクをした警察官が、身分証明書の提示を求め、
その後、指定された一時的な宿泊施設へ誘導したようです。

目撃者の証言では、通訳・ボランティアの協力で、きわめて人道的に対処している模様。
ただ、移民の人たちも切符を買う必要があり、この点で困難が発生したようです。

その他、ハンガリー南部のペーチから到着の列車にも、
到着時に警察が入り、西駅や宿泊施設への誘導が行われたとのこと。

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まじゃるでした。

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