不法入国から難民キャンプまでを潜入レポート2
まじゃるです。
前回の続きです。
体良く難民の中に紛れこむことに成功したハンガリー人記者。彼はこれから何を見るのか?
・・・連れて行かれたのは、軍用テントが3列に並んだRöszkeの移民収容キャンプ。ここのテントで12~24時間を過ごすことになるらしい。到着時に、整理番号と国籍が記入されたアームバンドを付けられる。ここでは国籍だけが必要で、名前を名乗る必要はないようだ。・・・
・・・私は、簡易ベッドがテントの中に並んでいるのを想像していたのだが、実際はボロ布やスポンジのマットレス、何台かのベビーベッドがあるだけであった。自前の寝床がある人々はテントの外に陣取ったようだ。・・・このような、最低限の状態にしているのは、きっと意図的なものなのであろう。快適にしたら、さらに移民が増えると考えているのだ。・・・
・・・警官は、キーワードを英語で伝える以外は、移民に対してもハンガリー語を使っているが、なんとか伝わっているようだ。英語とアラビア語の通訳がいてもいいと思うが、少なくとも私が潜入した時はいなかった。警官たちは、ハンガリー語では卑俗な言葉も使うのだが、例えば”F*** you”などのような、移民にも分かる言葉は一度も口に出さなかった。・・・アフガンの一家が、守衛の警官に食べ物を乞うたのを見かけた。警官は「自分の場所を動くな。座っていた場所にもどれ」などとブツブツ言いながら、1分後には自分たちのランチボックスをその家族に与えていた。今回の潜入では、警官たちの二面性、すなわちハンガリー語で悪態をつきながら、行動は人道的であったことが特徴であった。・・・
・・・それにしても、こういう場所には慈善団体がいるのが普通だが、赤十字のテント以外には何も見当たらなかった。難民の中にはキリスト教徒もいるであろうに、キリスト教系の慈善団体はなぜ来ない?・・・
・・・食料の配給のあと、テントの1つで移民たちが歌を歌い始め、他所からも人が集まってきた。これが今回唯一の解放的なシーンだった。・・・
・・・逆に、一番酷かったのは、朝6時半に移動をうながすために移民たちを怒鳴り散らす警官。怒鳴る必要は全くなかったのだが。・・・
・・・
まじゃるでした。続きます。